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フェルメールの魅力。

3月も半ばを迎え、春がすぐそこまで来ている事を感じます。

この春新生活をはじめられる方は、準備で忙しいながらもワクワクと過ごされている頃でしょうか。

先日、大阪市立美術館で開催されている『フェルメール展』に行ってきました。

フェルメール

階段には「フェルメール・ブルー」(当時高価な原料で作られた青の絵の具を、フェルメールは惜しげもなく使いました。鮮やかな青は彼の絵の特徴となっています)を彷彿とさせる青い花の花壇が。

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ヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、バロック期(16世紀末にヨーロッパ全体に広まったドラマ性の強いダイナミックな技法を主流とした絵画)を代表するオランダの画家。

映像のような写実的な手法と綿密な空間構成、そして光による巧みな質感表現を特徴とする。

生涯のほとんどを出生地オランダで過ごし、妻と11人の子供がいたが生活は苦しく、43歳で亡くなった。

作品数が少なく、その多くが個人コレクションだったため、18世紀には忘れ去られていたが、19世紀になって「忘れられた画家」として再び脚光を浴びはじめた。

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これは「取り持ち女」(1656)という作品です。

娼婦にお金を渡す派手な紳士。その様子をとなりで覗き見る老婆は、仲介人の「取り持ち女」です。

一番左で「何かいけないことが行われていますよ」、とこちらに教えながら笑っている紳士は、フェルメールの自画像だと言われています。

目線をこちらに合わせているのは、「絵の中の様子を知らせて問題提起するナビゲーター」である場合や、「作者自身」である場合などがあるそうです。

確かに、フェルメールと言われているこの男性は、ストーリー的にここにいるのは不自然ですよね。

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「恋文」(1667)。

女主人がメイドから手紙を渡されて、リュートという楽器を弾く手を止め、心配そうにメイドを見つめています。メイドは安心させるように微笑んでいます。

後ろに飾られた絵は「旅人」を意味し、これは彼女の愛する人が遠くにいるということ。部屋を見ると、洗濯物やほうきが出しっぱなしで、「何も手につかないくらい恋愛にうつつを抜かしている」ことを伝えています。

その様子を、隣の部屋からこっそり覗いているような気にさせられる構図。

登場人物がどんな心情だったのか、想像を掻き立てられます。

この女性が着ているイエローにファーが付いたドレス。フェルメールのお気に入りだったようで、彼の何点かの作品に描かれています。踏まえて観てみると「また出てきた!」と思って楽しいです(笑)

また、この頃はオランダの黄金時代であり、この絵からも、女主人が恋愛にうつつを抜かしても、楽器の演奏に興じても、差し支えのない平和な世の中であったことがわかります。

一般庶民も絵をコレクションする時代だったそうで、フェルメールの絵に大きい作品がないのは、そんな理由からだとも言われています。

フェルメールの描く絵の、光と影のコントラスト。布の材質の違いまで、手に取るように伝えてくれます。

鮮やかな色づかいや女性の表情は、息を飲むような美しさです。

日常を切り取った場面はどこかミステリアスで、世界観に引き込まれます。

絵の中に入りこんで、登場人物のそれぞれのストーリーを探る旅ができたら楽しそうですね。

360年前の絵の実物を観ることができるなんて思っていなかったので、この貴重な体験にとても感動しました。

5月12日(日)まで大阪市立美術館で開催されているフェルメール展。みなさんも機会があればぜひ(*´∀`*)